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「最近、暖かくなってきたなー」
親父の声に、合わせるかのように、強い風が吹き抜けた。
目の前に、ヒラヒラ舞う花びら。。。手を出しそれを拾った、
「桜の花びら。。。」
あの時を思い出した。。。
その日も強い風が吹き抜け、桜の花びらが舞っていた。。。
仕事が、その日はやけに早く終わり、自転車でのいつもの帰り道。。。
桜並木を通り過ぎるころ、後ろから、強い風と共に、桜の花びらが、俺を包んだ。。。
「綺麗だなぁ」思わず、自転車を止めて口に出してしまった、
「本当に綺麗ですね」後ろから声が、ビックリして振り向くと。
黒髪の長く、スタイルの良い女の人が立っていた
つい、見とれてしまい、自転車に乗っていた俺は、バランスを崩してしまい、その場で転倒。
あまりの恥ずかしさに、照れ笑いしながら、バタバタと立ち上がると、彼女が近寄ってきて。
「大丈夫?」と、背中の汚れを叩いてくれた。
「いゃー全然、大丈夫ですよ、ありがとう」
彼女を見ると何故だか、寒気をかんじた。。。
あまりにも透き通る肌に、大きな淋しそうな目。
「あの。。。あなたも大丈夫ですか?」
思わず聞いてしまった。
「。。。はい!大丈夫ですよ」彼女は戸惑いながらも、笑顔で答えてくれた。
。。。また強い風が桜を舞わせた。。
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