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授業が全て終わると、俺は一目散にフミの元へ向かった。
女に囲まれて和気藹々と楽しんでいる様子には、顔が歪んでしまう。
やっぱり弥生が言う通りなんだろう。
女を真似るフミは優しいし、顔だって黙ってればカッコいい。
モテるのは必然とも言える。
「フミ!!」
俺は大声でその名前を呼んだ。
直ぐに反応して手を振るフミが、可愛く思う。
ああ、くっそ!
早く彼氏にならなきゃ、あの女共に取られちまう!!
忙しなくフミの名前を連呼すると、周りを囲んでいた女に断りを入れたフミが漸く俺の元へ来てくれた。
俺はもう我慢が出来ずにフミの手を掴んで、大股で歩き出す。
心臓が、花火大会でもしている様に騒々しかった。
「ちぃちゃん?
どうかしたの?」
「…良いから人気ないとこ行くぞ!」
「え?帰らないの?」
「それどころじゃねぇーの!!」
目を点にして後ろを付いてくるフミは、不思議そうに首を傾げていた。
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