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口をあんぐりと開けて仰天していると。
フミの手が俺の両手首を掴んだ。
「え、ちょ…!?」
「今度は逃がさねぇ」
いつもは柔らかく弧を描く瞳が、今は鋭い獣の様になっている。
俺を押さえ込む手は信じられない程力強くて。
抵抗する猶予も与えず、フミの唇が俺の口に押し付けられた。
「んんんんーッ!!?」
目を限界まで見開いて絶叫する俺の唇に、生暖かい舌が這う。
ビクッと強張る肩を引き寄せられたその瞬間に、フミの舌が唇を割って入ってきた。
くちゅ…くちゅ…っ
「ん、んン…!ん…!?」
熱い…。
なんだ、これ…!?
強引に口内に進入するそれは俺の舌を絡め取り、先を吸い上げる。
息が出来ずに涙を溜めた俺の目には、男の顔をするフミが写っていた。
…違う。
違う。
こんなの、フミじゃない…!!
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