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それからというもの。
フミはフミで変わりなく、平凡な日常が続いていた。
丸っきりあの事には触れてこないし、俺だってぶり返す気もない。
だからなのか、俺はあの一件を殆どナイものへとしていた。
それが正しい事なのかは分からないが、…それよりも今。
俺は最悪な場面に出会してしまっている。
「好きです」
階段の踊り場で、1人の女子生徒が告白をしている。
向き合う様に立っているのは、__フミだ。
い、いや、俺は別に覗こうとしてたわけじゃねえよ?
たまたまフミを見付けて追いかけて見たらこんな事になってたってだけで。
…違うって…良い訳じゃねえよ…。
壁の後ろに隠れて蹲る俺は、なんかちょっと複雑だった。
最初に俺はフミを自分のモノにしようとしてたんだ。
他の奴になんか取られたくなくて。
…結局、蔑ろになった告白ではあったが。
でもやっぱり、フミに恋人が出来るのは嫌なんだ。
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