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家を出て、暫く2人で並んで歩いた。
だけど、目の前に見えるあの角で別れることになる。
俺と反対方向に向かうフミは、これから恋人とデートをするんだ。
分かっているのに、何度もそれを頭でリピートしてしまう。
フミ…。
「じゃあ、ここで」
「…ん」
「ちぃちゃん、ご機嫌ナナメ?」
「…んーん」
「そう?
デートが終わったら連絡するね
…行ってきます」
フミが歩き出す。
俺に背を向けて、遠ざかって行く。
それが、苦しくて。
もう二度と…俺の所には帰ってこない気がして。
__そんなの、嫌だ。
フミは…フミは俺の隣にいなきゃダメなんだ。
俺の傍にいなきゃ、ダメなんだ。
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