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「___フミっ!!」
俺は叫んでいた。
小さくなる背中に、泣きそうな声で叫んだ。
胸が焼けるように熱くて、痛くて、苦しくて。
引き止めたい一心でその名前を呼んでいた。
「ふみぃ…っ」
こんなの俺らしくもないし。
情けなくて、ただかっこ悪い。
涙が覆う世界が、揺蕩うと揺れていた。
「…ふみ…?」
ふと、俺の手が掴まれる。
顔を上げたその先にはフミの背中があって。
俺の手を引きながら別の場所へ走り出していた。
何、だ?
頭が回らない。
フミは、こんな子供みたいなワガママな俺を…選んでくれたのだろうか__?
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