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「ありゃあどう見ても高橋が悪い
つうか靴下でキャッチボールって何なんだよ
小学生か」
「靴下くらい良いじゃん
あんたなら平気で食えるでしょ?靴下ごと」
「食うか!!」
相変わらず俺を馬鹿にする弥生に激怒する。
それでもツーンとそっぽを向いた態度には血管という血管が今にも切れ掛かりそうだった。
ったく、本当コイツだけは気に喰わねえ。
「まあまあ
今度アタシが親子丼作ってあげるから」
「まっじ!?
フミ料理上手いもんなあ!」
頼むぜー!とまたもフミに抱きつく俺を、弥生は何やら無言で見つめていた。
そして昼食の時間が終わり、フミは隣の教室へ帰って行った。
1年の時は同じクラスだったのだが、生憎今は離れ離れ。
「フミー!!」
と大袈裟に悲しみを見せる俺は、とにかくフミが大好きだった。
何せフミは、女になりたかった男。
かくいう俺は、男になりたかった女。
そういう趣向が重なっていたからここまで仲良くなれたし、あのやんわりとした優しい笑顔が俺を救ってくれたのだ。
あーあ。
俺が本当の男で、フミも本当の女なら絶対付き合ってたのになー。
憂鬱と溜め息を吐いた俺は、何故か顔をガン見してくる弥生に口を曲げた。
「…んだよ、さっきから」
「……あんたら二人って、どういう関係?」
「あ?」
「付き合ってんの?」
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