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…つ……?
「…………………はああああああっ!!?」
ガタンっと席を立ち上がった俺は、顔を真っ赤にしながら弥生の胸ぐらを掴み上げた。
そこに集まる視線なんてものは今は全く気付いていなかった。
「てめっ、いきなり何言い出すんだよ!!
フミと付き合うって、可笑しいだろ!?」
「…何で?」
「な、ななな何でって…!
アイツは…いや、俺は…えっ!?」
自分でも訳が分からなくなって、あたふたしていると。
弥生は俺の手首を掴んで胸元から引き離し、真顔で言った。
「あんたバカだから知らないだろうけど、意外にフミってモテるんだよ
まあ私は興味ないけど」
「そ、そうなん…?」
「だから他の女に取られる前に、付き合っちゃえば?
あんたらお似合いだしね」
糸が切れたタコの様に、俺はしゃるしゅると席に着いた。
呆然と口を半開きにする顔は頭が働いてないからで。
どこを見るでもなく、ただただ放心としていた。
弥生は自分の席に戻る前に、一言付け足した。
「先ずはお互いの気持ちを確認しあいなよ」
…気持ちの確認って何だよ。
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