彼の理想

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◇ 「……ヒデミはさ、告白しないの?」 ゆめ子が言った。 「……へっ?」 「告白しないの?このままじゃ嵐くん、ヒデミの気持ちに気付かないんじゃないのかな?」 「いや……だって……あたしじゃ……嵐の理想から遠ざかって三千里……」 「でもいちばん嵐くんと仲良いのってヒデミだと思うよ」 「……本当に?」 「だって今、隣の席だし。なんだかんだクラスの中でいちばん話してるじゃん?それに……体育委員じゃん、2人して」 ピースサインをして冷やかすように微笑む。 「それは……ジャンケンで負けて、たまたまなっただけだよ?」 「そうじゃなくて。体育祭まであと1ヶ月じゃん?準備とかあるし、今までよりも一緒にいれるかもしれないよね?」 「そう言われればそうだけど……」
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