彼の理想

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「まじで?どんな子?もしかして、ゆめちゃん?」 あたしがゆめ子と仲がいいことを知ってるからか、期待した目を向ける。 座っている椅子から転げ落ちそうな勢いで身を乗り出す。 「ゆめじゃないし……ゆめみたいな子ではいないかな?」 「なんだー。そうだなー。俺の理想は、ゆめちゃんだな」 と、一気に興味を失ったのか、がっかり気味の笑顔で答えた。 残念そうに言うから、告白してないのに、振られた気分になるじゃん。 嵐はモテる。モテる上に、自他共に認める、理想の高い男の子だった。 お姫さまが迎えに来るのを待つ、王子さまにも思えるけど。 逆でしょうが! 逆王子さま。 いや……もしかして、嵐はお姫さまかもしれない。
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