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だけど学校に逃げる場所なんてなくて、仕方なく教室に向かった。
廊下側の端のいちばん前が嵐の席。
その隣があたしの席。
窓側に背を向けて、自分の椅子に腰かけた。
「やけ食い」って呟いて、さっきのパンの袋の口を切った。
一口かじった、カレーパン。
食べ物に飛びついた結果、得たものは、嵐じゃなかった。
「辛い……」
だから、あたしは、泣いた。
カレーパンが辛いから。だから、泣いた。
だから、あたしは、蹴った。
カレーパンが辛いから。
だから、蹴った。
目の前にある、嵐の椅子をコツンと蹴った。
「バカ嵐…」
結局さ、食べ物に飛びついたら、カレーパンと涙しか手に入らなかった。
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