8㌔の勇気

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だけど学校に逃げる場所なんてなくて、仕方なく教室に向かった。 廊下側の端のいちばん前が嵐の席。 その隣があたしの席。 窓側に背を向けて、自分の椅子に腰かけた。 「やけ食い」って呟いて、さっきのパンの袋の口を切った。 一口かじった、カレーパン。 食べ物に飛びついた結果、得たものは、嵐じゃなかった。 「辛い……」 だから、あたしは、泣いた。 カレーパンが辛いから。だから、泣いた。 だから、あたしは、蹴った。 カレーパンが辛いから。 だから、蹴った。 目の前にある、嵐の椅子をコツンと蹴った。 「バカ嵐…」 結局さ、食べ物に飛びついたら、カレーパンと涙しか手に入らなかった。
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