8㌔の勇気

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「……タマ、これあげる」 そのまま、ハラリとオレンジは、あたしの太ももに落ちた。 手にすると、ハチマキだった。 丸く大きな輪を作ったまま。 「……えっ?」 振り返ると、すぐ目の前に嵐が立っていた。 「これ、嵐の?」 「他の男のやつ、渡してどうするんだよ?」 「だって……」 「タマの首輪」 そう言うと、あたしの手からハチマキをとって、首にかけた。首輪というより、タスキみたいにダランとしてる。 「へっ?だって、さっき……加賀谷先輩に告白してたでしょ?ハチマキ渡して……」 「だから、泣いてたの?」 腰を屈めてあたしを見つめた。 「……泣いてない」 「目、潤んでますけど」 「嵐の目が悪いからそう見えるんだよ」
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