8㌔の勇気

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「さっきの?……ああ。借り物競争のこと?」 「借り物競走?」 「うん。加賀谷先輩が、引いたカードが〝イケメン男子のハチマキ〟ってやつで。何故か俺を選んじゃうからさ。 しかも、イケメンかどうか確かめる為に、俺もみんなの承認受けなきゃいけなくて、校庭の真ん中でさらしものだったんだよ。 あー、恥ずかしかった。判定甘くて良かったけど」 照れくさそうに笑った嵐は、しゃがみながら、あたしを見上げていた。 「ドッキリイベントの告白大会じゃなかったの?」 「ドッキリ?あぁ、午後からだよ。しかも、先生の物真似という寒いイベントだろ?何、告白大会って?」 「えっ?」 あたしの驚き顔を見たからか、ブッと吹き出して、手で口を押えた。 「タマは、本当に面白いな」 「……じゃあ、告白は?」 「したよ」 「えっ?」
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