8㌔の勇気

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真顔で嵐は言うけど、体の力が抜ける。 「えっ?じゃあ、ばれてたの?……あたし、からかわれてたんだ?食べ物に飛びつく子とか……あれ、絶対、嘘でしょ?」 「ああ言ったら次、何するのかなって思って。でもあのパン食い競争に挙手した瞬間、好きになったかもな。あんな素直な子みたことないし……ぶっ」 吹き出した。絶対、あのときのあたしを思い出してる。 「綺麗に飛びついたしな、パンに。いや、まじで理想な飛び方だった」 「恥ずかしい…です」 バカにしてくるから、顔を手で覆ってしまった。目なんか合わせられない。 「なんか、嬉しかったんだよ。あれだけ思ってくれたことも。……タマが好き」 これもまたからかわれてるのかな。指の隙間から嵐の顔を見た。
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