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真顔で嵐は言うけど、体の力が抜ける。
「えっ?じゃあ、ばれてたの?……あたし、からかわれてたんだ?食べ物に飛びつく子とか……あれ、絶対、嘘でしょ?」
「ああ言ったら次、何するのかなって思って。でもあのパン食い競争に挙手した瞬間、好きになったかもな。あんな素直な子みたことないし……ぶっ」
吹き出した。絶対、あのときのあたしを思い出してる。
「綺麗に飛びついたしな、パンに。いや、まじで理想な飛び方だった」
「恥ずかしい…です」
バカにしてくるから、顔を手で覆ってしまった。目なんか合わせられない。
「なんか、嬉しかったんだよ。あれだけ思ってくれたことも。……タマが好き」
これもまたからかわれてるのかな。指の隙間から嵐の顔を見た。
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