第1章  第1話 『日常』

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~松井誠也~ 「なぁなぁ、聞いてくれよ誠也!」 目の前で目を輝かせながら喋っているのは俺の友達の一人である川口優斗(かわぐち ゆうと)である。 「なんだよ?そんな目を輝かせて?」 ちなみに俺の名前は松井誠也(まつい せいや)。まぁ、ごく普通の高校生だな。多分………… 「実はな………………運命の人に会ってしまったんだよ!!」 優斗の発言に対して、黒い眼鏡をかけた俺のもう一人の友達である松橋祐也(まつはし ゆうや)が口を開いた。 「先日も運命の人に会ったって言ってなかったか?優斗??」 「あぁ。玲奈(れいな)ちゃんだっけか?その子はどうしたんだよ??」 「それはそれ。これはこれなんだよ!」 「相変わらずだな(笑)」 「そんなことより。誰だと思う?なぁ??」 めんどくさそうにしながら祐也が言葉を紡ぐ。 「どうでもいいよ。別に。」 「それな。」 「おいおい!ちょっとは興味もってくれよー。もし、当てれたらなんか奢ってあげるからさー」 「ほぉ。言ったな?聞いたよな祐也?」 「たしかに言ったね。」 「男に二言はないぜ!!」 「なら当ててやるよ。」 「かかってきなさい!」 俺は優斗をじっくりと観察する。 実は俺は人にはない特殊な能力?と言っていいものがある。 「莉緒(りお)ちゃんだろ?」 そう俺が言った瞬間、優斗の顔が真っ青になった。 「…………なんでわかった?」 「俺はなんでもわかんだよ。」 「くっそぉーーー!!まさか当てられるとは……」 「それじゃ約束通り奢ってもらうぜ?」 「くっ。しょうがない……」 「何奢ってもらおうか?誠也?」 「なににしようかー。」 なぜ優斗の好きな人がわかったか気になっているだろう? 実はな………… 俺には繋がりが見えるんだ。 繋がりって何かって? まぁ、説明するなら、人間ってのは必ず何かと繋がって生きてるだろ? 親だったり、恋人だったり、友人だったり。俺にはそれが色々な色の線となって見えるのさ。 今回の優斗の例で説明するならば、今優斗から赤くてペットボトルくらいの太さの線が莉緒ちゃんに向かって繋がっている。 線には色々な色があって恋関係だと赤色に近いのだとか、友人関係だと黄色だったり、繋がり深いと色が濃く、太くなったり。 まぁ、これのおかげでさっきはすぐにわかったってわけさ。
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