プロローグ

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そもそも、何の"応募"で何の"monitor"なのか。 話は数ヶ月前に遡る。 "姫様"と"幻光"は異常なアニメヲタクだと先に説明しておこう。 "MMORPG"は昔からやっていた。 最近巷で、"VRMMORPG"なるものが流行っている。 しかし"アニメ"の世界で、だ。 「幻光!おまえの技術ならば再現出来るはずよ! まさにこれは、"二次元世界"!ボクたちの世界だわ! 多種多様なるmonsterやweapon、job!そして、広大なるfield! おまえの網羅したゲーム知識を活かすときよ!」 「畏まりましたです!我らの我らによる我らのための世界を! わたくしの脳内世界をご覧にいれましょう! "電波の妖怪・幻光ちゃん"(自称)に恥じることのないものをお造り致しますですよ!」 そして物の数ヶ月で、β版は完成してしまったのである。 彼女たちの脳内を余すところなく、反映した世界はどこまで恐ろしいことになっているのか。 更に"仲間"を増やすべく、monitor募集をしたのである。 応募総数はまさかの数百万規模。 それだけ興味のある人間が多いのだろう。 その上その中から漏れなく、"Private Maid Servant"と呼ばれるサポーターがつくとあっては期待も高まるものだ。 ……結果的に"Private butler Servant"が一人増えたわけだが。 正直、メイドや使用人なら二桁くらいは派遣できるらしい。 けれど、皆それぞれに役割があるようで。 本来の仕事はどうしたと突っ込んではいけない。 実際は使用人だけに飽き足らず、先ほど"姉"と表記した者以外の家族や、友人たちが暇をもて余してNPCを名乗り出ている。 更にそれが原因で、"完全無料VRMMORPG"と銘打つことになった。 それも相まっての応募総数なのだろう。 金持ち連中が暇と金を注ぎ込んだ恐ろしいゲーム。 …別の意味で危険だ。 しかも、厨二や電波並のヲタクを筆頭にしているのだから質が悪い。 NPCが中身ある存在。 ちゃんと仕事をしてくれるか怪しいメンツがかなりいるが、それも醍醐味だと言わんばかりである。 既に応募者全てが、彼らの道楽の犠牲者だ。 果たして、どんな世界なのだろうか。 一筋縄では行かないことはわかっている。 さぁ、"Princess's Garden Online"のβ版開始だ!
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