血の晩餐会

2/13
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ
その頃城の探検をしている、3人は 「俺は地下室に行くけど、純はどうする?」 伊藤が燭台を片手にし、聞いた。 「俺は塔を見に行く。カノウくんは?」 「僕は伊藤くんと行く」 「じゃあ、6時に待ち合わせ。ディナーまでには戻ろう」 子供達は二手に別れた。 カノウはピッタリと伊藤に着いて行くつもりだったが、途中、どこからか美味しそうな肉の焼ける香りが漂って来た。 カノウは口に指を加えると、香りの漂う厨房へと向かった。 伊藤は燭台を片手に、薄暗い地下室に向かった。 地下室は鍵が掛かってはいたが、伊藤はドアの前に膝まづくと 小さなピンを真っ直ぐに伸ばすと、器用に鍵穴に差し込むと 数秒後には、鍵を空ける事に成功した。 「カノウ!開いたぞ!」 伊藤が振りむくと、カノウの姿は無かった。 重い鉄の扉を開くと、ギィィと鈍い金属が擦れる音がする。 内部は真っ暗で見え無い。 伊藤は燭台のろうそくを片手に持ち内部に侵入した。 薄気味悪い、よどんだ空気が漂う。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!