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その頃城の探検をしている、3人は
「俺は地下室に行くけど、純はどうする?」
伊藤が燭台を片手にし、聞いた。
「俺は塔を見に行く。カノウくんは?」
「僕は伊藤くんと行く」
「じゃあ、6時に待ち合わせ。ディナーまでには戻ろう」
子供達は二手に別れた。
カノウはピッタリと伊藤に着いて行くつもりだったが、途中、どこからか美味しそうな肉の焼ける香りが漂って来た。
カノウは口に指を加えると、香りの漂う厨房へと向かった。
伊藤は燭台を片手に、薄暗い地下室に向かった。
地下室は鍵が掛かってはいたが、伊藤はドアの前に膝まづくと
小さなピンを真っ直ぐに伸ばすと、器用に鍵穴に差し込むと
数秒後には、鍵を空ける事に成功した。
「カノウ!開いたぞ!」
伊藤が振りむくと、カノウの姿は無かった。
重い鉄の扉を開くと、ギィィと鈍い金属が擦れる音がする。
内部は真っ暗で見え無い。
伊藤は燭台のろうそくを片手に持ち内部に侵入した。
薄気味悪い、よどんだ空気が漂う。
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