第2話 太田美桜

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「っていうかさぁ、ドラマやアニメじゃ探偵って、難事件を解決しててカッコイイのに、オジサンって浮気調査とか猫探しばっかりだよね」 美桜はニヤッと笑う。 「うるさいなぁ、殺人事件なんかに民間人が介入出来るわけないだろ。それにこっちの方が儲かるんだよ」 「そんなに儲かるんなら、姪っ子にバイトを頼まないで、従業員を雇いなよ」 「いや、雇うとなると、毎日依頼がないと給料が払えないじゃないか」 「あ~渡辺さんがいてくれたらなぁ~」 「いなくなったヤツのことをいつまでも言うんじゃない」 渡辺はつい最近まで勤めていた従業員だけど、さっさと大手の探偵事務所に鞍替えしたのだ。 「俺は今から、浮気調査の張り込みをしてくる。ってことだから、このいなくなった猫を探すって依頼は、オマエに任せるから」 「ちょ、勘弁してよ。今日だけだよ。明日は練習試合があるんだから」 「公式戦じゃないんなら休ませてもらえば良いじゃないか」 「良い訳ないでしょ!」 美桜は仁を睨んだ。
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