第2話 太田美桜

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「もしもし」 『何だ?』 すぐに仁が電話に出た。 「今日ってさぁ、何時まで事務所にいる?」 『何だ? もうバイトしたくないから、島村くんを連れてきたんじゃなかったのか?』 「え? ああ、うん。それはそうなんだけど、ちょっと別件で相談したいことがあってさぁ」 『相談? オマエが俺に?』 「うん。そう」 『急に小遣いが必要になったのか?』 「違うよ~~。あっ、でも、お金はいるかも」 『何だよそれは。悪いけどバイトを二人も雇うほど余裕はないぞ』 「だからバイトはしないよ。だけどお金だけ頂戴」 『は? アホかオマエは? 忙しいから切るぞ』 「ちょ! 何が忙しいのよ! とにかく今からそっちに行くから、そのまま待ってて」 『おい、忙しいって言っ』 まだ仁が喋っているのに、美桜はさっさと電話を切った。
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