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「もしもし」
『何だ?』
すぐに仁が電話に出た。
「今日ってさぁ、何時まで事務所にいる?」
『何だ? もうバイトしたくないから、島村くんを連れてきたんじゃなかったのか?』
「え? ああ、うん。それはそうなんだけど、ちょっと別件で相談したいことがあってさぁ」
『相談? オマエが俺に?』
「うん。そう」
『急に小遣いが必要になったのか?』
「違うよ~~。あっ、でも、お金はいるかも」
『何だよそれは。悪いけどバイトを二人も雇うほど余裕はないぞ』
「だからバイトはしないよ。だけどお金だけ頂戴」
『は? アホかオマエは? 忙しいから切るぞ』
「ちょ! 何が忙しいのよ! とにかく今からそっちに行くから、そのまま待ってて」
『おい、忙しいって言っ』
まだ仁が喋っているのに、美桜はさっさと電話を切った。
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