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「よし、じゃあ行こう」
「えっ、行くってオジサンのところ?」
いきなり立ち上がった美桜に、すずが驚いた顔をする。
「そうだよ」
「でも午後から部活が…………」
「あのさぁ、可愛い妹と部活、どっちが大事なのよ?」
「そりゃ、もちろん妹だけど」
「でしょう? 私だって本当は二時から部活なんだよ? だけど萌ちゃんが死ぬかもしれないっていうのに、部活なんか行ってる場合じゃないじゃん」
美桜は萌の緊急事態に対してのすずの対応に、少し腹がたった。
「あの、いいんです。まだ四十七日あるし、私のことなら大丈夫です」
その微妙な空気を察した萌が、二人に割って入る。
「ごめん萌。確かに美桜の言う通りだよ。今から行こう」
すずが萌に微笑んだ。
「いいんですか?」
萌がすずに申し訳なさそうに聞く。
「良いに決まってるじゃん。それと萌ちゃん」
「はい」
「すずはアナタのお姉ちゃんなんだから、もう敬語を使わなくていいんだからね」
美桜は萌の肩をポンと叩いた。
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