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「ねぇ、ちょっと待って。このことをお母さんにも言わないと」
すずが美桜に待ったをかける。
「そうね」
「でも」
萌が口を開いた。
「何?」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫って何が?」
「だって大人の人って、どうせ誰かの悪戯だろうって……。パパだって、ちゃんと聞いてくれようとしなかったし」
「大丈夫だよ。うちのお母さんは絶対にそんなことはないから」
すずは笑顔でそう言い切った。
「じゃあすず、オバサンのとこに行こう」
「うん。萌、行こう」
「うん」
三人は階下に向かった。
「あら、もう帰るの? まだ少し早いけど、今お昼の用意をしてるから食べて行ってよ…………って言ってもお素麺だけどね」
リビングに入るとすずの母が驚いて聞いてくる。
「お母さん違うの。大事な話があるの」
「大事な話?」
美香は眉を曲げた。
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