第2話 太田美桜

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「せ、せ、せ、先輩!」 美桜の目が普段の二倍の大きさに見開かれる。 ずっと憧れていた二つ上の先輩だった。 「えっと……もしかして相南高校?」 「は、はい」 「そっか」 鷹斗は優しく微笑んだ。 その顔に美桜の胸がキュンとときめく。 このクソ暑い中、オジサンの頼みを聞いてあげた優しい姪っ子に、神様が素敵な偶然を与えてくれたらしい。 「はい。猫」 「あっ、有り難うございます」 美桜は投げ捨ててあったカゴを拾うと、猫を中に入れた。 「君ってさぁ、ずばりソフトボール部でしょ?」 「えっ! な、何で? 私のこと知ってるんですか?」 美桜はズバリ言い当てた鷹斗に驚いた。 「いいや、ごめん。正直会ってたとしても覚えてない」 「えっ、じゃあ何で?」 目を真ん丸にして驚いた美桜に、鷹斗はまた優しく微笑んだ。
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