第2話 太田美桜

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「俺さぁ、今の大学でミス研に所属してるから、人を見てこの人どんな人なんだろう…………とかさぁ、観察するくせがついちゃったみたいなんだ」 「みすけん?」 「ああ、ミステリー研究同好会の略だよ」 「ああ、そのミス研ですか」 「うん。将来は探偵にでもなろうかなぁ」 鷹斗が微笑む。 「それは止めた方がいいです!」 美桜はキッパリと言い切った。 「えっ、何で?」 「私のオジサンが探偵だからです」 「マジで?」 「テレビじゃ颯爽と難事件を解決してますけど、探偵なんてほとんどが、浮気調査と猫捜しなんですよ」 美桜はそう言うと、猫の入ってるカゴを持ち上げる。 「あっ、もしかしてこれも?」 「そうですよ。従業員がいないもんだから、無理やりバイトさせられてるんです」 美桜は顔を歪めた。
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