tre-2

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彼のドルチェに対する真摯な気持ちがストレートに伝わってきて、私もそれに真摯に対応しなきゃ…って、そう思った。 遠慮がちに口を開く。 「ショコラの黒とピスタチオのグリーンって、合わさるとちょっと和菓子っぽいってゆーか」 「……………」 「女子ってすごく見た目の可愛さにもこだわるんだよね。クリスマスに出すドルチェなら、赤とかのアクセントがあったりしたら随分印象変わるかも……」 言っているうちにやっぱりすごく自分が生意気な気がして、段々と声が小さくなっていくのがわかった。 忍くんの顔がみるみる険しくなっていくのも、目に入ったから。 私が食べ終わった後の空いたお皿を見つめ、忍くんは口元に手を置いて、うーんと低く唸った。 「見た目の可愛さ…か。───やっぱりそこだよなぁ」 「……………」 「俺、先輩にずっと言われてんだ。味は文句なしなのに、盛り付けのセンスがないって。……それってドルチェ作るうえで致命的だ…って」 はあ~っと忍くんは大きな溜め息をつく。 いつもは感情をあまり表に出さない人だけど、この時はわかりやすく落ち込んでいるように見えた。  
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