tre-2

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「俺、LINEやらないから」 「……………」 ケロリと言い切られて、今度は私が目を丸くする。 えー…っと。 これってもしかして……やんわりと拒否られたってことなのか、な。 連絡先交換を断られるとは思わず軽くショックを受ける私の前で、忍くんは上着のポケットに手を突っ込んだ。 「俺、これだから」 彼がポケットから取り出した物を見て、私は目を見張る。 忍くんが手にしていたのは、今や見かける機会も少なくなったガラケーだった。 「……………」 思わず彼の顔とガラケーを交互に見比べる。 つまり……ガラケーだからLINE自体をやってないって……そういうこと? 迷惑だから断られたんじゃないとわかって、私はホッと肩で息をついた。 それと同時に、何だかそれがすごく彼らしくて、ついクスッと笑ってしまった。 「ガラケーでも、やり取りだけなら出来るよ?」 「いい、別に。あれってメール読んだとか読んでないとか相手にわかるんだろ? そういうのすごいメンドクサイから」 本当にめんどくさそうに、忍くんはそう言った。  
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