tre-2

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「食べに来たら? うちのパスタ旨いよ?」 サラッと言われて、私はびっくりする。 あんまり簡単に言うので、思わず苦笑が漏れた。 「そりゃ美味しいのはわかってるけど…。あんな高級レストランなかなか行けないし。……それに、やっぱりカップルが多いんでしょ?」 「別にそんなことないよ。ランチとかだったら値段も下がるし、割りと女の人のグループ多いよ」 ………そっか、ランチか。 ランチぐらいなら、今度奮発してハラちゃんと行ってみようかな。 美味しいパスタ食べたいし……忍くんのドルチェをお店でも食べてみたい。 「……………」 私はチラッと忍くんの横顔を見上げる。 『カップル』という単語が出てきて、再びハラちゃんとの会話を思い出してしまった。 今なら……それとなく聞いてみても大丈夫、かな……。 ちょっと緊張してきて、私は一度ふうっと息を吐き出した。 「………ねぇ、忍くん」 「ん?」 「忍くんて……彼女、いるの?」 「────え……」 忍くんは、びっくりしたように歩く足を止めてしまった。  
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