tre-2

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私は慌ててブンブンと右手を左右に振った。 「いや、だって、ほら…っ。もし彼女いるなら、私が毎週家に行ったりしたらマズイんじゃないかなー…と」 「……………」 「は、鉢合わせとかになっても困るし……」 ゴニョゴニョと口ごもりながらもっともらしいことを言うと、忍くんは「ああ……」と呟いて、止めていた足を再び動かし始めた。 「いないよ」 非常に簡潔に。 結論だけを、忍くんはサラリと答えた。 ある程度予想通りの答えだったとはいえ、はっきりそう断言されたことで私は妙にホッとしてしまった。 そりゃそうだよね……。 いくら忍くんがボーッとしてるとはいえ、彼女いるのに毎週他の女を自宅に呼んだりしないよね。 ────全くもう。ハラちゃんが必要以上にビビらせるから……。  
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