tre-2

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「真白さんは?」 ずっと黙っていた忍くんが、前を向いたままポツリとそう呟いた。 俯いて一人あれこれ考えていた私は、ハッと顔を上げる。 「えっ?」 「真白さんはいるの? 彼氏」 忍くんはこちらを振り返らずに質問を続けた。 私の角度からは彼がどんな表情をしているのかを見ることは出来ず。 ただ声色は淡々としていて、あまり質問自体に興味もなさそうだった。 もしかしたら話のついでに聞いただけなのかもしれない。 人に聞いておいて自分が答えない訳にもいかず、私は苦い笑みを浮かべた。 「いないよ」 「…………」 そう答えた瞬間、忍くんはピタリと足を止めておもむろにこちらを振り返った。 意表を衝かれた私は、つられてその場で足を止める。 私を見つめる忍くんの顔が、通り過ぎた車のテールライトを反射して、赤く染まった。 「あれから、ずっと?」  
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