cinque-2

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フロントガラスを強く打ち付ける雨。 全開のワイパー。 猛スピードで向かってくる対向車のライト。 つんざくようなブレーキ音。 回る視界。 右足に走った、熱いほどの激痛。 ────そして遠のく意識の中聞こえてきた、私の名を呼ぶ途切れ途切れの、彼の声……。 「……………ダメっ!!」 再び目の前が真っ暗になって、私は必死で手を伸ばして彼の姿を探した。 指先に彼の袖口が触れ、私は無我夢中でその腕にしがみついた。 止めなきゃ。 止めなきゃ。 ────忍くんを、止めなきゃ。 「ダメ……! ダメ……!」 「ま、真白さん……?」 動揺と困惑の混ざったような声を発し、忍くんはまるで私に引っ張られるような形でボスッとソファーに腰を下ろした。 それでも私は彼の腕を離さず、ぎゅっとその腕に取り縋った。  
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