cinque-2

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「こんな雨の日に運転したらダメ…!」 「……………」 「死んじゃう! 忍くん、死んじゃうよ!」 『死』という言葉を口にして。 忍くんが、私の前からいなくなってしまうと思って。 今日何回も堪えた涙が、とうとう堰を切ったように溢れ出した。 こんな日に運転したら、きっとまた事故が起きる。 あの日みたいに……きっとまた。 私のせいで忍くんまで死んじゃったら……今度こそ私は一生立ち直ることは出来ない。 今生きていることすら、罪のように思う時があるのに。 「────真白さん……」 いたわるような優しい声がしたかと思うと、忍くんの袖を掴む私の手を、彼がぎゅっと握りしめてきた。 「………死なないよ、俺は。……絶対に、事故なんか起こさない」 包み込むようにやんわりと私の手を握り、きっぱりと忍くんはそう言い切った。 私は顔を上げ、激しく首を振る。 「そんなの……わかんないじゃない!」 「────わかるよ」 「わかんないよ!!」 私の両目から、ボロボロと涙が零れ落ちた。  
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