cinque-2

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今、忍くんが傍からいなくなるなんて考えられなくて。 想像しただけでも怖くて堪らなくなって……。 体の奥底から震えが沸き上がってきて、止まらなくなった。 「ずっと一緒にいようねって……透さん言ったけど……でも、いなくなっちゃった…っ」 「……………」 「忍くんまで……忍くんまでいなくなっちゃったら、私…っ」 その時、さっきまで優しかった忍くんの手が。 力強く、ガッと私の両肩を掴んだ。 顔のすぐ側で彼の荒い息遣いを感じ、私はぐっと息を止めた。 「俺は……兄貴じゃない!!」 「……………」 部屋中に響き渡るような───雨の音さえ掻き消すような彼のそんな大声を初めて聞いて。 逆に酷く高揚していた私の気持ちが、スッと下がっていくように感じた。 彼の気配に目を凝らし、ヒクッと喉を詰まらせる。 「俺は今、ちゃんと真白さんの目の前にいるだろ!」 「……………」 「生きて、こうして、真白さんに触ること、できてるだろ!」  
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