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とうとう堪えきれなくなり、私は忍くんの胸に縋ってワッと大声を上げて泣き伏してしまった。
事故なんて絶対起こさない。
自分は絶対にいなくならない。
口にした忍くんでさえ、そんなことは何の保証もないことはわかっているのだろう。
現に透さんは、誰も全く想像していない形でこの世を去ってしまった。
………それでも。
たとえ、気休めだったとしても。
力強く忍くんがそう言い切ってくれたことで……。
私の心は、驚くほど軽くなっていた。
ぎゅっと抱きしめてくれた忍くんの手が、すごく温かかったから。
耳に押し当てた彼の胸から伝う鼓動が、とても優しかったから。
それらの全てが、忍くんが今生きてる証なんだ…って思ったら、信じられないぐらいに安心してしまって……。
私は甘えるように、忍くんの胸に頬を擦り寄せた。
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