cinque-2

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「だ、大丈夫。……びっくりしただけ」 「雷、平気?」 「………うん」 「暗いのも?」 まるで子供に尋ねるように、忍くんは一つずつそう聞いてくれた。 私はコクリと頷く。 少しずつ暗さに慣れてきた目に、忍くんが淡く微笑むのが見えた。 その笑顔が何だか物凄く頼もしく見えて、私は心からホッとする。 肩の力が抜けたのが伝わったのか、彼はゆっくりと私から手を離した。 「復旧まで、時間かかるかな」 ポケットに入れていた携帯を開きながら、忍くんが呟いた。 なんとなく窓の外に目を向ける。 雷はさっき落ちたのがピークだったみたいだけど、雨はまだ変わらず強いようだった。 「どうだろうね……」 「あんま長いと困るな……。冷蔵庫の中身がヤバい」 時間を確認しただけなのか、忍くんは溜め息をつきながらパチンと携帯を閉じた。 途端にまた、室内は暗闇に包まれた。  
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