cinque-2

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ソファーの上に、膝を抱えて丸くなる。 もう少しここにいていい?って聞いたものの……。 電気も点かないんじゃ、することもないよね。 「─────真白さん」 一人であれこれ考えていると、目の前で突然名前を呼ばれた。 私は弾かれたように顔を上げる。 「………いるよね? 真白さん」 「………………」 まるで私を探すような、少し不安げな声だった。 そんな忍くんの声を聞いて、私は思わず言葉に詰まる。 『真白さんは───遠い人』 さっき彼に言われた言葉が頭を掠めた。 それと同時に、私は何だか凄く哀しくなってしまった。 忍くんにとって……私ってそんなに遠いのかな。 こんなに近くにいるのに、視界が閉ざされただけで雨の音に気配が消されてしまうほど……遠く感じるのかな。 それでも手を伸ばして……探そうとはしてくれないんだね。  
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