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「お礼って……今日のご飯自体がいつものドルチェのお礼なのに…。そんなこと言ってたらキリがないよ」 お礼にお礼をして、そのお礼にまたお礼をしてって……。 不毛すぎて、何だか可笑しい。 クスクスと口元を押さえて笑っていると、忍くんはスッと真顔になった。 「いいじゃん別に。キリがなくても」 笑う私とは対照的にすごく真面目な声で忍くんが言ったので、私もつられて笑顔を収めた。 忍くんは、傘を持つ手と逆の手を上着のポケットに突っ込みながら、じっと私の顔を見つめてきた。 「────そしたらずっと、こうして会える」 「…………!!」 ドキッとして、私は息を詰める。 驚いて忍くんの顔を見返すと、忍くんの瞳はとても真剣で……でもどこか切なげな色をたたえているように見えた。 どういう意図で彼がそんなことを言ったのか、私には皆目見当がつかなかった。 木曜日だけ会う今の関係をずっと続けたいってことなのか……。 ………それとも。  
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