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そこまで考えて、私はハッとした。
(もしかして……さっき私が取り乱した時……。行かないで的な……いなくならないで的なことを、言ったから……?)
そしたら忍くんは、絶対にいなくならない、約束する……って言ってくれて。
『ずっとこうして会える』ってことは……つまり、そういうこと?
「……………」
何だかよくわからなくなって激しく混乱していると。
目の前で忍くんが、吐息混じりにふっと苦笑した。
「そんな深い意味、ないから」
「………え?」
「今日の真白さんの飯、旨かったから。……よかったらまた、作ってほしいってこと」
多分私がずっと黙って考え込んでいたからか、忍くんがやんわりした口調でそう説明してくれた。
さっき見た瞳の中の切なさは今は消えていて……。
言葉の意味がわかったこともあって、私はホッとしてしまった。
「────うん。また今度、作って持ってく」
「いいの?」
「もちろん。いっぱいレシピ勉強して……レパートリーも増やしとくね」
忍くんの顔を見上げてにこっと微笑みかける。
すると忍くんは微かに顔を赤らめて、スッと私から目を逸らしてしまった。
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