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「それってさぁ。好きになり始めてるってことなんじゃないの?」
翌日の仕事終わり。
ファミレスでご飯を食べながら、私はハラちゃんに昨日の話をかいつまんで話して聞かせた。
聞き終わるなり、ハラちゃんが核心を衝くようなことを言ったので、私は口に含んでいたドリアを吹き出しそうになる。
「そ、そこまでの感情はないよ! そんな……す、好きとか……」
「でもドキドキしたんでしょ? 嫌いな男になんかドキドキしないじゃない」
「………それはまぁ……そうかもしれないけど……」
気管に入ってむせそうになり、私はコクリと水を喉に流し込んだ。
ふうっと一つ息をつく。
「確かにドキドキはしたけど。……でもそれって、状況のせいもあるのかなって……」
「え?」
「ほら。恋愛対象として見てなくても、暗闇で二人っきりなんて状況だったら……相手が誰でもドキドキしたんじゃないかなぁ…って」
「……ああ。吊り橋効果ってやつね」
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