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「あのねー、あえて第三者の立場で言わせてもらうけど、そんなのはただの偶然! あんたの思い込みよ!」
「……………」
「何でもかんでもそこに結びつけるの、いい加減にやめなよね」
ハラちゃんの口調は明らかにイライラしていた。
何も言い返せずに、私は黙り込む。
「それが透さんのせいだって言うなら、逆に私言ってやりたいわよ! 7年も真白を苦しませて立ち止まらせておいて、これ以上まだ縛りたいのって」
「………ハラちゃん……」
「間違っちゃダメだよ、真白。───あんたも忍くんも、今、生きてるの」
キッパリと言い切られて、私はドキリとする。
それは昨日、忍くんにも言われたことだった。
俺は今ちゃんと生きて、真白さんの目の前にいる…って。
俺は……兄貴じゃない……って。
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