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「ま、大事なのはこれからよね。吹っ切って次に進むって決断したはいいけど……」
「うん」
「実際、忍くんて、真白のことどう思ってるの?」
「……………」
またも直球の質問に、私はうっと言葉を詰まらせた。
ハンカチを鼻に当てながら、ぼんやりと今までのことを思い返す。
「………わかんない。……忍くんて、感情表現乏しいから」
「いや、たとえそうだとしてもさ。何回か二人っきりで過ごしてる訳でしょ? その間に何度か彼の気持ちがわかるような言葉や態度はなかった訳?」
「言葉や……態度」
「そうよ。あ、これって私のこと好きなのかな?って何となくわかる瞬間てあるでしょ?」
「……………」
言われて私は、今までの忍くんの言葉や態度を出来るだけ記憶から掘り起こそうとした。
一番印象的だったのは……、遠い人って言われたこと。
後はムカつく……って言葉と。
───新しい人を見つけて、幸せになれ…って言葉。
「………………」
何だか哀しくなってしまって、私は思わず頭を抱えてしまった。
「ちょ……真白!?」
「ハラちゃん……多分私は、そういう対象じゃないよ……」
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