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「もしそれが事実なら、毎週毎週ホントに不毛な逢い引きよねぇ……」
しみじみとしたハラちゃんの声が聞こえて、私はのろのろと顔を上げた。
ハラちゃんは頬杖を付き、呆れたような目でそんな私を見下ろしていた。
「………不毛?」
「そうよ。お互いが過去の出来事に気を使ってさ。若い男女が一つ屋根の下でただご飯食べてスイーツ食べてるだけなんて。不毛っていうかもう……不健全ね」
「……………」
「あんたも人の爪にマニキュア塗ってないで、まず自分の女子力上げなさいよ」
ハラちゃんは容赦なく、痛いところを次々に衝いてくる。
「じ、女子力……」
「そうよ。向こうに意識されてないってんなら、女の武器でも何でも使ってまずは振り向かせなきゃ」
「武器?」
「例えばまぁ、色仕掛けとか?」
サラッととんでもないことを言われて、私はギョッと目を剥いた。
「そ、そんなこと、できるわけ…っ」
「なんでよ? 忍くんだって男なんだからさ、ちょっと露出の高い服着て胸の谷間でもチラッと見せてやりゃ……」
「ち、ちょっと待って!!」
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