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(えっ……嘘、忍くん…!?)
画面に映し出された名前を見て、私は目を見張る。
慌てて家の中に上がり、そのまま2階の自室へ向かって階段を駆け上がった。
………え、どうして?
私からかけるって言ったよね?
それに……まだドルチェも食べてないし……!
「────もしもし」
部屋に飛び込み、私は電気も点けずにまず電話をとった。
一気に階段を昇ったので息が整わず、へなへなとその場に腰をつく。
『………もしもし、真白さん?』
スマホを押し当てた耳に、少し勢い込んだ忍くんの声が響いた。
声の様子からして、どうやらまだ外のようだ。
「忍くん?」
『………うん』
「どうしたの? 私、今帰ったばっかりで……」
忍くんの声を聞いて、何故だか胸がいっぱいになる。
激しい動悸で息が上がってるのは……もしかしたら階段を駆け上がったせいだけではないかもしれない。
私の言葉を聞いて、忍くんが小さく息をついたのが聞こえた。
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