sette

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『……そっか。じゃあ今、もう家なんだ……』 「うん。……でもホントに帰ったばっかりで、まだドルチェも食べれてないよ?」 『ああ。うん。……いいんだ、それは。わかってて、かけてるから』 ホッとしたような声のあと、忍くんはどこか躊躇うように口を開いた。 『その……心配で……』 「え?」 『いや、本田さんいい人なんだけど。……何て言うか、その……女性関係が色々ハデと言うか……』 奥歯に物が挟まったような忍くんの物言いに、私はつい笑いそうになる。 先輩だからハッキリ言いにくいんだろうけど……要するに本田さん、女癖が悪いってことよね。 まぁ、あんな感じだし、別に意外でも何でもないけど。 でも……そっか。 忍くん、私のこと心配して電話かけてきてくれたんだ……。 何だか凄く嬉しくなって、私は強くスマホを耳に押し当てた。  
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