sette

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「……大丈夫。真っ直ぐ送り届けてくれたよ」 『ホントに? その……番号とか聞かれなかった?』 「うん。ちょっとお話しただけ」 ………とはいっても、殆ど本田さん一人で話してただけだけど。 安心したのか、そのまま忍くんは黙り込んでしまった。 早足で歩いているのか、風を切るような音が聞こえてくる。 わずかな沈黙の間に、私の頭に色んな思いがよぎった。 古川さんのこと。 そして……、本田さんに言われた言葉。 『────ごめん』 不意に忍くんが話し始めて、私はハッと我に返った。 ようやく動悸が落ち着いてきて、私は部屋の電気を点けてからベッドに腰を下ろした。 忍くんの声に、耳を澄ます。 『追いかけたかったけど、出来なくて。……なんか色々予想外のこと起こりすぎて、テンパってる間に本田さんが先に真白さんのこと追いかけてって……』 「………忍くん」 『ホントにごめん。結局、真白さんに今日は嫌な思いさせた。……知らない人ばっかで、気使っただろ』  
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