sette

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聞き間違いかと思い、同様に歩みを止めた本田さんを見上げる。 本田さんがニコニコと笑っているので、私は思いっきり眉間に皺を寄せた。 「────は?」 あまりにも唐突で、私的には有り得ない言葉。 語尾に強めの疑問符を付けて聞き返すと、本田さんは上着のポケットに手を突っ込みながら、わざとらしく首をすくめた。 「忍は真白ちゃんに惚れてるよ。一目瞭然じゃん」 「……………」 「だから萌も焦ってんだよ」 いやに断定的に言われて、私は言葉を失う。 そうしてゆっくりと、本田さんの言葉を脳内で噛み砕いた。 忍くんが……私に惚れてる? 一目瞭然? 一目瞭然って、一目見ただけではっきりわかる…って意味だよね? ────嘘だよ、そんなの。 だって私、一緒にいても忍くんの気持ち、全然わかんないもん。 「……………」 疑惑に満ちた私の目に気付いたのか、本田さんはクスッと笑いながら止めていた足を再び動かし始めた。  
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