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「オイオイ柚姫さん、もしかして大分ブラックなところでバイトしてる?」
どうやら独り言を言っていたみたいで、先輩が心配そうに覗きこむ。
こんな暴言吐きまくってるのに私の身の上の心配を…!!
どうやら相手を馬鹿にしすぎたらしい。
先輩は神だということが分かった。
てか、私失礼すぎ…
少しどぎまぎしながら首を振る。
「違うんです先輩、何でもないです。それより数々の暴言すいませんでした」
「一応罪悪感あるんだ?」
ニヤニヤと口許を歪ませる。
まあ、先輩が考えてるほど罪悪感はそこまでないけど。
でも、それでもちょびっとは罪悪感がある。
謝るしかないよね。
「はい、地の果てまで続く地平線くらいの罪悪感で私の心は荒れています」
「はい!それ嘘!分かってるもんね!!」
びしりと指を指され少しイラッとする。
ああダメダメ、私は今後の大学生活のために謝らないといけないの。
私、我慢我慢。
「もうその手には乗らないもんな!どうせ心のなかは俺の悪口で一杯なんだろ!!」
イライラ
「大人しそうな顔して毒吐きやがって!!癒し系な顔してるのに!!先輩…悲しすぎる」
イライライライラ
「そもそも俺先輩だよ?何で無視されたり暴言吐かれてるの…あぁ、俺可哀想」
プッツン
頭のなかで何かが切れる音がした。
でもそれだけで、先ほどの暴言を吐くとか大失態をやらかすほど私はバカじゃない。
深呼吸をして、先輩の前に立つ。
突然前に飛び出してきた私に驚き、先輩は立ち止まる。
「だから柚姫はって、おおっぅう…ど、どうした」
「先輩マジだるいんだけど」
「えっ」
さっき頭のなかでシュミレーションした言葉は息を潜めて、どこぞの不良が使いそうな言葉が出てくる。
私は慌てて口を閉ざそうとするが、口が言うことを聞かない。
「後輩こんなにいじってなにが楽しいんすかねしゃしゃってんじゃねーよ」
やめて!!私の口止まれ!!
ヤバイヤバイヤバイヤバイこれ以上口を滑らせられない
口に手を押しつけるが、もう遅かった。
「ゥッウウッウ」
先輩が涙目で嗚咽を漏らし始めた
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