sette-2

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「そうだ、お鍋しない?」 両手を合わせ、私は笑顔でパッと忍くんの顔を仰いだ。 忍くんは意表をつかれたように目を丸くする。 「………鍋?」 「うん。寒くなってきたし、ちょうどよくない?」 鍋なら仕事帰りにサッとスーパー寄って材料買って、着いてからでもすぐに作れるし。 じっと忍くんの返事を待っていると、しばらくして忍くんは嬉しそうにふわっと笑顔になった。 「俺、誰かと鍋とか久しぶり」 「……………」 「マジですげー楽しみ」 屈託ない笑顔を向けられて、私は何も言えなくなる。 ………こんな顔見せられたら……怒りが持続する訳ないよね。 私はそっと苦笑して、忍くんの顔を見上げた。 「お酒、いっっぱい買っといてね」 「いっぱいって、どれぐらい?」 「ビール、酎ハイ、日本酒は外せないなぁ」 「酔わないの?」 「うん、全然」 「はは、すげぇ。真白さん、ザル」 そう言って少し笑った後、忍くんはふと寂しそうな、遠い目になった。 「………真白さんと、一緒に酒飲むようになるとは思わなかったな……」  
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