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忍くんの声はひどくしんみりしていて──。
田舎のお婆ちゃんに久しぶりに会った時に、大きくなったねぇって呟かれてるみたいな……そんな感じの声色だった。
でも……そうなんだよね。
多分ちょっと、そういう意味合いも含まれてるんだよね。
私達の時間って、高校生の時で止まってるようなところがあって。
あの頃はホントに、大人になってから忍くんと二人でお酒を飲むなんて状況、想像すらしていなかった。
でも、悪い意味でも二人でいると時間が高校生の時に戻っちゃって……。
今思えばさっきみたいなケンカ、とてもいい大人がするようなケンカじゃないよね。
あまりにも子供っぽくて思い出すと恥ずかしいけど……。
でも少しは本音で向き合えて、よかったのかな。
古川さんほどではなくても……少しは忍くんと近付けたと思っていいのかな。
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