sette-2

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忍くんの声はひどくしんみりしていて──。 田舎のお婆ちゃんに久しぶりに会った時に、大きくなったねぇって呟かれてるみたいな……そんな感じの声色だった。 でも……そうなんだよね。 多分ちょっと、そういう意味合いも含まれてるんだよね。 私達の時間って、高校生の時で止まってるようなところがあって。 あの頃はホントに、大人になってから忍くんと二人でお酒を飲むなんて状況、想像すらしていなかった。 でも、悪い意味でも二人でいると時間が高校生の時に戻っちゃって……。 今思えばさっきみたいなケンカ、とてもいい大人がするようなケンカじゃないよね。 あまりにも子供っぽくて思い出すと恥ずかしいけど……。 でも少しは本音で向き合えて、よかったのかな。 古川さんほどではなくても……少しは忍くんと近付けたと思っていいのかな。  
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