sette-2

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そもそも私は、古川さんのライバルになんて値しない。 顔も、若さも、スタイルもファッションもメイクも、何一つ勝ってる要素がない。 そして……忍くんに対するあの真っ直ぐな気持ちも、忍くんを好きだって言えるあの素直さも。 だから私は、認めたくないんだ。 彼女と争うことが怖いから。 それにもしかしたら……ひどいパララックスを起こしているのかな、と思う時があって。 透さんていう存在に目隠しをして……忍くんとの正しい距離感を見誤っているような──。 だから忍くんに対するこの気持ちを『恋』と断定してしまう勇気が持てない。 (………あれ。8時になっちゃった……) あれこれ考え事をしながら仕事をしているうちに、いつの間にか閉館の時間になってしまっていた。 結局最後まで、忍くんの姿を見かけなかったな……。 返却窓口にいた訳じゃないからわからないけど……本だけ返して出ていったんだろうか。 それともまさか、急用が出来て来られなくなった、とか?  
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