otto

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「えっと……お皿取ってきますね」 短くそう言い、私は早足でキッチンへと向かう。 古川さんの表情を目の当たりにして、ほんの少し胸が痛んだ。 そりゃ、嫌だよね……。 自分が来たことで、好きな人にあんな顔されたら、ショックに決まってるよ。 『萌の恋も応援したいし、忍の恋も応援したい。……だから真白ちゃんの敵になるか味方になるかは、まぁ今のとこ未定ってことで』 食器棚を開けながら、私はこの前の別れ際に本田さんに言われた言葉をぼんやりと思い返した。 私と忍くんが二人で鍋をするって知って落ち込んでいる古川さんを見兼ねて、ここに連れて来たのだとしたら……。 本田さんはもう、古川さんの味方をするって決めたのかもしれない。 ………でも、こんなやり方は間違ってるよ。 こんな強引なやり方したって、忍くんに悪い印象与えるだけなのに。 それがわかってるから古川さんも、あんなに困った顔で、泣きそうになってたんだろうな……。  
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