otto-2

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言葉はたどたどしかったけど、あの忍くんが一生懸命言葉を選んで意思表示してくれたのはわかったし、彼の言いたいことはちゃんと全部、私の心に届いていた。 本当に嬉しくて。 スゴくスゴく嬉しくて。 私は涙を堪えながら、忍くんに微笑みかけた。 「私が来たかったら……毎週来てもいいの?」 「────……」 忍くんは一瞬、惚けたように私の顔に見入る。 意味がわからなかったのか、刹那激しく瞳が揺れた。 「……え?……えっと」 答えを求めるような目でじっと見つめられ、私はもう一度忍くんに笑いかけた。 「私がさっき言いかけてたのはね。……コンペが終わってからも、またここに来てもいい?って、忍くんに聞きたくて」 「え……」 「このまま忍くんに会えなくなるのは寂しいな…って、思って」 忍くんの目が、ゆるゆると見開かれる。 信じられないものでも見るように見つめられて、私は思わず苦笑を浮かべた。 なんでそんなに、驚くのかな。 忍くんと同じこと、言っただけなのに。  
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